3月下旬から集合場所のローソンストア100徳重名古屋芸大駅前店の近辺でのカラス被害が劇的に急増してきました。
家の近くでしょっちゅうカラスに荒らされている方や、カラスの苦情が入ってくる自治体職員をはじめ、多くの方が対応に悩んでいるところです。とはいえ決定的な対策といえるものは難しく、結果的に住民の方々の意識的な対応に頼って対策している状況です。人間が後手に回らされていると言えるでしょう。
住民とカラスの知恵比べ
カラスや野良猫のゴミ漁りに対抗するため、ごみ袋にネットを掛けていらっしゃる方々が大勢お見えです。ある程度の効果はあるものの、しかしながらネットをキッチリかけておいても地面との隙間から巧みにクチバシを差し入れてごみ袋の中身を引きずり出している光景をときどき見かけます。
色んなところでカラス被害のお話しをしていたら、皆さんのお知恵が集まってきました。効果的な対応だなと思ったこちらの対策をご紹介いたします。
100均金網とネットできっちり囲う
カラスが入ってくる余地を残さない堅固な作り。使った後は畳んで邪魔にならない場所に置いておけばいので、省スペースなのが良いですね!
段ボールコンポストを活用する
中に新聞紙を入れて生ごみを隠す方法も案内されていますが、ゴミの排出削減を目標としている以上、やはり分別とリサイクルは徹底したいと思うのです。あと古新聞で覆うの面倒ですよね。
食べ残しが出ないように作りすぎない節約も効果的ですし、できれば野菜クズなどの生ごみは段ボールコンポストで処分しましょう。カラスも生きるために必死ですから可哀想な気もしますが、餌がなければカラスも増えません。ゴミ減量の努力はカラス対策にも通じるものがあります。
アパートで問題が多い
そして問題が多いのは単身者向けのアパートです。ごみ分別の不徹底から未回収になったゴミがそのまま残されていたり、ゴミ出しの曜日無視したり。それぞれ生活の事情もあるのでしょうが、そうしたアパートに居住している人がカラスの散らかしたゴミの後始末している姿を見たことはありません。
そうした物件の管理者への苦情を近隣の住民がしょっちゅう電話で申し入れしている状態があるのですが、なかなか改善されません。
わたしが思うのは、アパート経営をしているわけですから、経営者として責任持って対応させることを行政が厳しく指導することも必要ではないでしょうか。
ゴミステーションがそもそもないのは論外ですし、あっても構造として簡易にブロックで囲っただけのものが多い印象です。四方を囲ったものにするのも良いのではないでしょうか。
残されたゴミがある場合は管理会社への通報をデジタル化して自動化するとか、改善されない場合は引き取り拒否して、事業ごみ回収に回すようにするとか、指導強化に乗り出してほしいものです。
カラスを知る(参考文献より)
カラスが黄色を嫌がる、というのは全くのウソ。色なんて関係ない。
杉田師考案のゴミ袋には、紫外線をカットする特殊な顔料が練りこまれている。カラスにはどんな色に見えているか聞いてみたいが、我々の「カラスと対話するプロジェクト」はまだ色を訊ねる段階には達していない。もとい、ゴミ袋の特殊顔料が可視光を部分的に吸収するため、ヒトにとってはたまたま黄色に見えているのだ。
カラスをだます(NHK出版新書)
カラスにはお酢や唐辛子スプレーも効かない。
シュッシュッとカプサイシン入りの水を吹きつけるが、カラスは気にせずバクバク食べる。徐々にカプサイシンの濃度を上げていくが、バクバク食べる。実験準備室の空気がむせ返るぐらいの濃さになる。目が痛い。鼻が痛い。実験者の友人はマスクをしている。カラスはバクバク食べた。ほかの味でも同様だった。酢も目に染みてつらいほどだったがカラスはバクバク食べた。これをバカ舌と言わずしてなんと言おうか。
(同上)
カラスの肉は硬くて甘味が少なくクセが強いが、調理次第で美味しいらしい。栄養価はバツグン。
カラス肉は非常に優秀だった! 高タンパク・低脂肪・低コレステロールに加え、鉄分とタウリンが豊富。栄養価がこれほど高い肉がほかにあるだろうか?
(同上)
塚原直樹「カラスをだます」たいへん詳しくカラスの解説をしてくださるだけでなく、食べるという方向からもカラスを調べているので非常に面白い1冊でした。
このほかにもこの本の著作者の師匠にあたる研究者の書籍なども買って読みましたが、この本が1冊あれば他の本は要らないくらいです。
カラスにここまでのめり込んで研究している人は他にいるんでしょうか。研究する姿が面白おかしい文体で書かれており、読み進めるのに次は何が起きるんだろうかとワクワクさせてくれました。こんな面白いカラス研究本を執筆してくださいまして、本当にありがとうございました。