ひとりでやるより、みんなで一緒にやりたい。

ゴミ拾いを始めた経緯は、新型コロナウイルスの感染拡大で親睦会も開けなくなり、仲間たちと一緒に過ごすこともままならなくなったことがきっかけです。

そんな中でたまたまコンビニで仲間と出会い「一緒にウォーキングをしよう」と誘われました。そして彼はそれに続けて「でもさ、そのウォーキングのコースがゴミだらけでめっちゃ汚いんだよね」と言いました。「じゃあ、ゴミ拾いしながらウォーキングしたらいいんじゃない?」「お、それいいねぇ。誰か誘うか。」

そんな軽い感じで始まったゴミ拾いウォーキングでしたが、やり始めると気合いが入ります。わずか3時間であまりにも多くのゴミを拾い、友人に軽トラの出動要請をするほどの収穫だった日もありました。

こうしてゴミ拾いを始めたわけですが、続けていく中で得られた体験は得難いものだと実感しました。公務員でもないしなんの権限もわたしたちにはありません。なのに、まちの問題を解決するなんて面白くないですか?

ゴミ拾いは恥ずかしい?

私たちも初めはゴミ拾いをすることにやや抵抗感がありました。なんでかわかりません。いつの間にかそう思うようになっていました。「職業に貴賤はない」という言葉が日本にあります。ゴミ拾いが恥ずかしい、と思うこのマインドセッティングは今すぐ変えるべきものだと考えました。

今ではすれ違う人に元気よく挨拶してゴミ拾いウォーキングを楽しんでいます。

トレードマークは赤。めだってナンボの地域活動。

私たちが活動していることをより多くの地域住民の方に知っていただくことが必要でした。私たちの活動の理解と浸透を促すためには、バラバラの服装ではなく、チームカラーのユニフォームを着て、活動が目立つことが必要だと考えました。また作業中の安全確保も重要な要素です。地味な色では通過車両から見落とされ、事故につながる可能性もあります。

そこで、真っ赤な赤を活動のトレードマークのカラーにすることにしました。

お揃いの服で活動をしていると地域住民の方の目に留まりやすくなり、挨拶や声掛けがしやすくなります。もうひとつの理由として、赤いゴム軍手がコンビニなどて比較的簡単に入手できるので、ゲストさんにもお揃いの色を身につけていただきやすい、という利点もあります。

とにかく楽しくやること。ゴミ拾いは義務ではない

ゴミ拾いを誰かに頼まれて義務でやってるわけではありません。都合がつかなかったりすればいつでも休むことができます。だからこそ、楽しくやることが重要でした。

そこで大事なことは参加者のみんなのモチベーションが上がること。ゴミ拾いウォーキングが楽しみになり、ゴミ拾いに行かなきゃ!と思えるような仕掛けづくりがあれば続けられます。同じカラーを身につけることで仲間意識をもたらしてくれます。

私たちがこれまでの活動を通じていちばん面白いと感じたのは、仲間の声掛けにより、さまざまなゲストが参加してくださることでした。いろんな人が集まってくると、ウォーキングの道すがら、色々な観点からお話しを聴かせていただくことができます。

ある方が参加された時にはポイ捨てゴミを拾いながら、こんな事を言っていました。

ヒトはサルから進化した。樹上生活をしていたときには食べ物の残骸を持っている必要はなく、そのままポイ捨てしていたんだ。だからゴミのポイ捨てはニンゲンの本能に基づいているんじゃないか。本能を理性で抑えようとするのは難しいと言えるんしゃないか。

行政関係のメンバーからは、我々の住む街ではゴミ処理費用がいくらかかっているか、ゴミ袋の値段が自治体によっては100円のところもあれば500円のところもある。どうしてこんなに価格差がつけられているのか、などなど興味深い話しを聴かせていただきました。

企業経営をされている方には、平気でゴミをポイ捨てするような従業員は企業の評判や顧客からの信頼を落とすため好ましくないので、従業員教育の一環としてゴミ拾いウォーキングを活用することを社内に進言してみようと前向きに受け止めていただきました。事業所近隣の住民との信頼関係の構築の役にも立ちます。

私たちが始めた健康づくりのためのウォーキングですが、自分たちが住む街のことを聴いて、アタマの体力づくりにも役立っています。

ゴミ拾いは、愛。

また私たちの広報に必要なイラストを作成してくれた方は、ゴミ拾いは愛、という名言をくださいました。この言葉を言われてハッとしました。自分たちの住まう地域に思いがなければ、ゴミ拾いに参加するなんてことは思いもよらなかったでしょう。

ゴミ拾いをする人は間違いなく地域に対する愛を持っているのです。

ペンギンが拾い集めるのはゴミではなく、ハート。

だからキャラクターのペンギンはゴミではなくハートを拾っています。愛を集めています(笑)。襟巻きの模様もハート形になっています。中年太りしたふっくらしたお腹も、また口元はちょっと笑っているキュートなペンギンです!